福岡忠久の偉人録「手塚治虫」
今日、福岡忠久が紹介する人物はみなさんご存知、手塚治虫です。
日本マンガの生みの親と言われている人物であり、マンガの神様とも評されています。また、日本におけるアニメ制作の第一人者でもあり、虫プロと呼ばれている自身のアニメ制作会社により、数多くの名作アニメを後世に残しました。
代表作は、マンガ、アニメともに数えきれないほどありますが、その中でも「鉄腕アトム」や「ジャングル大帝」、「ブラックジャック」などは特に有名です。
手塚治虫作品の特徴としては、理想郷を描かないことが挙げられると思います。
作品のテーマにより、ヒューマニズムとアンチ・ヒューマニズムの間を揺れ動く手塚作品ですが、子供向けでも一貫して、きれいごとではない世界を描いています。
ロボットが主人公の「鉄腕アトム」では、ロボット差別が作品の根底にあるテーマであり、主人公アトムらがその問題に苦しむ姿が描かれています。
手塚治虫のそのような世界観は、1つには戦中世代のため、凄惨な世の中を見て育ったことも関係しているのではないかと、福岡忠久は考察しています。
輪廻転生をテーマにした作品の「火の鳥」でも、手塚治虫独自の厭世観が発揮されています。
人の愚かさや心の醜さを包み隠さず描いたことで、手塚作品は、発表後数十年以上たった今でも多くの愛好家がおり、世界的に評価されているのかもしれませんね。